インバウンド考察

海外バイヤーとの商談会に潜入、リアルな現場実況します!

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「自社の商品、サービスを海外にも売りたい!」

でもどうやって販路を開拓すれば?そもそも外国語話せない!貿易の法律も国によって違うし…

そう!わからない事だらけで怖いんです、最初は。ということで、海外の販路を広げる方法の1つ、海外バイヤーとの商談会に潜入したので、実況します。実際にどんなやりとりがされているのでしょうか。

1.商談会の概要

2019年1月24日に開催された日本貿易振興機構(ジェトロ)さん主催の「とちぎ食品輸出商談会」に参戦。ハンガリー、フランス、ベルギー、ルーマニア、インドネシア、タイの6カ国から食品・酒関係のバイヤーが招へいされました。

今回は、ベルギー、インドネシア、フランス、ハンガリー、合計4か国の商談の様子をメインにお伝えします。

ここまで読んだあなた、我々KGTは旅行会社なのに、食品・酒関係?不思議ですね。実はKGTの商談ではありません。日光市でコメ作りを中心に農業を営んでいる八木澤ファームさんと、いちご栽培を手掛けている渡辺農園さんに同行させてもらいました。

八木澤ファームさんに関しては、商品仕様書やPOPなどの翻訳もさせていただきました。

翻訳一例を紹介

 

2.商談会の流れ

各ブースにバイヤーが座っていて決められた時間になると、生産者がブースに向かい商談開始。今回は1社に対し40分の持ち時間が与えられます。限られた時間の中で、商品説明、商品完成までのストーリー、仕様書や卸値、売値の説明、食品の試食など多くの事をバイヤーとやりとりします。

ジェトロの担当者によると、初対面&1回目の商談で契約まで取りつけるのは難しい、とのことでしたが、実際に契約ゲットしている所もありました。契約までたどり着かなかった場合は、メールでやりとりしながら価格交渉、見積もりの提出というのが一般的な流れだそうです。

3.各国の特徴をまじえて商談の様子を解説

八木澤ファームさんの商談に密着。バイヤーごとに重視するポイントが違うのがとてもおもしろかったです。

(1)ベルギー

まずはベルギーのバイヤーとの商談。バイヤーは八木澤ファームさんの米に注目した様子。もともとベルギーの主食はじゃがいもなのですが、米を食べる文化も徐々に浸透しているそうです。ただ、日本と違い炊飯器よりも鍋で米を炊く人の方が多いんだとか。

あと、ベルギー版サトウのごはん的なUncle Ben’sという商品がスーパーマーケットでは人気の商品とのこと。よくみるとタイ米みたいに米が細長いので、八木澤ファームさんで作っているような粒の大きい日本米はベルギー人にとっては珍しく、魅力の1つなのだと感じました。

(2)インドネシア

立ちはだかるのは物価の差。日本で販売しているのと同じ卸値と販売価格を提示した場合、輸送や手数料など様々な仲介を通した後だと3倍くらいの販売価格になるそう。単純に計算すると日本で300円で売られている商品がインドネシアだと900円に!価格の壁をクリアするのも海外への販路開拓には欠かせない要素になりそうです。

インドネシアに限ったことではないですが、商材によっては自国内で大量生産されているものはとても安く取引されています。そこに価格勝負で挑むのはどうしても難しい。となると商品のクオリティと販売価格の兼ね合いが交渉のカギではないでしょうか。

(3)フランス

物価よりもEU輸入品目規制というEU独自の貿易管理制度が立ちはだかります。EU国内の産業を保護するためではありますが、日本と基準が違うこともあり、商材によっては勝負が難しい。EUやフランス国内で生産されていない、もしくは生産が難しい商材だと交渉しやすい印象を受けました。

(4)ハンガリー

最後はハンガリー。バイヤーの会社が幅広く商品を取り扱っていることもあり懐は広い様子。八木澤ファームオリジナル商品の日光ハバネロにとても興味を持っていました。実際に日光ハバネロを使ったレシピなどもあると売りやすい、と具体的なアドバイスまで。八木澤ファームさんの商品が海外進出するのもそう遠い未来ではないかもしれません。

4.そこんトコどうなの?商談会FAQ

私も初めて商談会というものを体験しましたが、行ってみてはじめて知ることも多かったです。

(1)外国語話せないけど大丈夫?

今回はジェトロさんが通訳を手配してくれました。外国語を話せなくてもしっかり商談できます。

(2)実際どうやって海外に商品送るの?

バイヤーの会社で商社の得意先がある所も多く、商社を通して海外に発送という流れが一般的だそうです。貿易に精通している方であれば自社から直接でもいいかもしれませんが、取引契約や貿易条項など知っておくべきことも多いので、会社次第といったところでしょうか。

(3)商談時間40分って長い?短い?

1対1で40分話すと長い、と感じるかもしれませんが、間に通訳が入ることで単純計算で日本語だけで話すよりも2倍の時間がかかります。さらに難しい表現や日本独特の言葉を使えば、通訳が説明する言葉も長くなるので実際は15分くらいしか話せない感覚です。

15分で商品の魅力を伝えて、価格交渉して、契約…そう考えると「時間は短い」と考えた方がいいです。

5.商談成立のためのヒント

ジェトロさんの話も含め、今回商談を見ていて商談成立に必要なことをまとめました。

(1)バイヤーからもらった名刺の宛先にすぐ(できれば当日)メールする

バイヤーの人達は短い間にたくさんの人たちと交渉をしています。その中で商談が終わり次第、いち早くコンタクトを取ることで、印象を強く残すことができますし、商談の内容を覚えているうちに次のステップの話もスムーズに進めることも。

(2)完ぺきな外国語じゃなくていいから熱意ある文章を。

メールをする時は完ぺきな外国語じゃなくていいので、熱意とお礼を伝えましょう。どうしてもうまく文章にできない場合はグーグル翻訳でもいいので、自分の気持ちを伝えることが大事。外国人が一生懸命に日本語で説明しようとしている姿を見ると、好印象を持ちますし、応援したくなるのと同じです。

(3)商談前の準備が1番大事!

人間は自分と共通点がある人に心を開きやすいです。特に初対面の場ではなおさら。バイヤーの会社HPがあれば事前にチェックしてどんな商品があるか、どんな企業理念を持っているのかを話すことで話も進めやすいです。これも逆の立場で考えてみると容易に想像できるのではないでしょうか。

(4)本当の勝負は契約後

生鮮品(生野菜や果物など)は配達方法が雑なだけで商品がダメになることもあります。「取扱注意」と記していても配達クオリティは国により異なります。

商品がダメになった時の保証は?初回ロット完売後の発注は?商社の手数料取り決め、海外販売での利益率計算など考える事はたくさんあります。そう考えると商談成立後からが本当のスタートのように思えます。

初めて商談会を見ましたが、普段の仕事に活かせることもありましたし、各国の外国人がどんな背景をもって商談に臨んでいるのかも見る事ができました。次回の商談会はKGTの商品を!そんな報告ができるようにします。

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