2017年9月にヨルダン人が観光研修の一環で栗山郷に訪れた時のことを紹介します。
1.ヨルダンってどんな国?
外務省のデータを見れば基本的な事は載っています。
(1)言語
基本はアラビア語で英語も通用します。
研修では資料は英語で、通訳は日本語⇔アラビア語。3つの言語を通したちょっとレアな状況でした。
(2)宗教
90%以上の人がイスラム教徒。後述しますが、提供する食事にも気をつける必要があります。
(3)国土の80%が砂漠
ほとんどが砂漠地帯のヨルダン。約90%が森林の栗山郷と似ていますね。ここにヒントが隠れていました。
2.どんな体験と天びんにかけても譲れないハラールとハラーム
イスラム教には生活のガイドライン、守らなくてはならない基準があります。それがハラールとハラームです。
ハラール(Halal)とは、イスラム法で「許された行為・物」で、逆にハラーム(Haram)は「許されない行為・物」です。「ハラール食対応」がよくニュースでも取り上げられましたが食以外にも適用されます。(化粧品の制限や肌の露出を控えるなど)これを守ることがイスラム教徒にとって重要なことなのです。
3.「ハラール食」、実際の対応
ヨルダン人には栗山の民宿を体験してもらいました。
宿泊先の民宿まごころさんのすごい所は、事前に豚肉やアルコールがダメで刺身も人によっては食べない、と伝えてすぐに「じゃあコレとコレなら食べられる?」とハラールに対応したメニューを提案してくれた所です。
食べられないものがあっても満足してもらえるようにたくさんの料理を用意してくれました。厳密には人によって食べられるものが異なる点を考慮したそうです。
4.そこに存在するだけで最高の観光資源になる“自然”
前述した通り、ヨルダンの国土のほとんどは砂漠です。貴重な自然が豊富にあるだけで、魅力に感じてくれます。日光茅ボッチの会の代表、飯村さんによるガイド、茅ぼっち作り体験もとても好評でした。通訳を通しての会話なのにどうしてこんなに笑顔が溢れるのでしょう。「自然を通した体験は世界共通」というのが飯村さんの答えでした。
逆にヨルダンでは、当たり前にある砂漠を観光商品として確立させています。(例:Jordan Desert Hikes)自分達のあたり前は、ところ変わればあたりまえじゃない、の言い例ですね。
5.自国で体験できないことが最大の観光商品
日本の四季に憧れを持つタイ人、神社、仏閣など歴史的建造物に興味を持つ欧米人、日本で初めて雪を目にする台湾人。お客様にしたい国の人の特徴を知ることで自分達の地域にどんな魅力があるのか、ということが見えてきます。ヨルダン人が自然に魅力を感じる、というのはとても勉強になりました。