インバウンド考察

今すぐ実践!イタリア人から学んだおもてなしの4つの視点

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2018年3月23日、日光商工会議所さんで外国人おもてなし向上研修会が開催されました。講師に日本旅行業協会の青木志郎さんを迎えたこの研修、実践できる接客、インバウンド業界の最新情報など気になる情報盛りだくさんでした。

1.日光市にはいつ、どの国の外国人が訪れてる?

東日本大震災前と比べても、外国人観光客が増えている日光市。ではどの季節に多く訪れているのでしょうか?

日光市の外国人宿泊者数(月間別)(出典:日光市統計書)

統計書によると、4月、10月、11月に多くの外国人が訪れています。外国人にとって桜と紅葉は2大シーズン。逆に言うと、冬と夏の集客が課題ともいえます。特に夏は各国で夏休みがあるので、家族で楽しめる旅行商品がカギになりそうです。また、アジアからの訪問客の中でも、台湾人が一番多いのも日光市の特徴です。

2.目まぐるしく変化する“観光”に関わる法律

観光に携わる誰もが目を離せないここ数年の法律改正。最低限抑えておきたいものを紹介します。

(1)通訳案内士制度

2018年1月4日から通訳案内士制度が改正されました。「通訳案内士の業務独占規制が撤廃、今後は資格を有さない人でも有償で通訳案内業務が可能」

今までは、通訳案内士の資格(国家資格)を持っている人だけが、外国人を外国語でガイドしてお金をもらうことができました。資格を持っていない人は外国語でガイドしてもお金をもらえませんでした。(ボランティアガイドは可能)しかし、今回の改正で資格を持っていない人でもガイド料としてお金をもらうことができるようになりました。ただし通訳案内士という名称、その他似たような名称は使うことができないので注意が必要です。

増え続ける外国人観光客に対して、通訳ガイドの人数を確保するのが狙いです。

(2)旅行業法

様々な改正がありますが、一番の注目は地域限定旅行業の創設。元々あった第1~3種の旅行業登録よりも費用を抑えて登録できます。ホテルや旅館などが旅行業を登録しやすくすることで、地域体験・交流型旅行商品の企画・販売を増やそう、というのが狙いです。

(3)住宅宿泊事業法(民泊新法)

テレビでも見かけることが増えていますが、2018年6月から民泊新法が施行させます。事前登録はもうすでに始まっていますね。

今までは、お金を取って宿を提供するには、ホテルや旅館など旅館業法に定められた施設しかできませんでした。この民泊新法により、条件を満たせば旅館業法の対象外の宿泊施設として登録することができます。年間宿泊日数を180日以内という制約はありますが、今までより宿泊施設を簡単に増やすことが可能になりました。

どれも増え続ける観光客への対応なので、基本的には観光に対する間口が広がる法改正ですね。他にも変更点はありますが、詳細は観光庁のページをご覧下さい。

3.今すぐ実践!外国人観光客への対応

実際に外国人の講師を呼んで様々な状況を再現。イタリア人のマッテオさんが、外国人ならではの目線をたくさん教えてくれました。

(1)少々お待ち下さい?

接客業をしているとよく使う「少々お待ち下さい」とても丁寧な言葉ですが、イタリア人からすると「少々ってどれくらい?」と疑問に思うそうです。もし、事前にわかっているのであれば具体的な待ち時間を教えてあげたほうがいいですね。

(2)日本の“おもてなし”が苦手な人も!?

日本のイメージの1つに“おもてなし”があります。しかし、日本人に対するおもてなしをそのまま外国人に当てはめようとすると避けられる時もあります。丁寧に色々伝えようとすると、外国人にとっては情報が多すぎて逆にわかりづらいケースも。

私も外国人モニターツアーの時に全ての体験に英語資料を用意しましたが目で見て楽しめる体験は、説明なくてもいいよ、と言われたことがあります。丁寧に1人1人のお客様を大切にすることはもちろん重要ですけど、適度な距離感を忘れないようにしたいですね。

(3)災害の時、外国人は何を求めてる?

日本は地震がとても多い国としても有名です。しかし、外国にはまったく地震がない国もあります。外国人旅行者が日本にいる時に地震が起こった場合、震度やマグニチュード表記を見ても、それがどのレベルの地震なのか理解するのが難しいです。

よく状況がわからない外国人はパニック状態に。そんな時、私たち日本人が真っ先にかけるべき言葉は“Don’t worry.”、「大丈夫、心配ない」と教えることです。例え震度2の地震だったとしてもパニックになってしまう時もあります。そんな時、私たち日本人がしっかり安全と安心を伝えられるようになりたいですね。

(4)文法なんて気にするな!

英語で話そうとする時に、「否定の時はdon’tを使って~、三単現のsを付けて~」などちゃんとした英文法で話さないと、と考えてしまう時があります。しかし、文法めちゃくちゃでも単語だけでも要点を抑えればしっかり伝わるとマッテオさんは話していました。

例えば、外国人がおみやげ屋さんで、緑のペンを持ちながら「これの赤色はない?」と尋ねてきた時に“I’m afraid that we’re out of stock in that color.”とサラッと言えればいいですが、“Sorry, no red.”だけでも十分伝わるので、英文法にこだわらず、自信を持って伝えるましょう。

4.まとめ

外国人の目線と言いましたが、これはイタリア人の目線でもあります。他の国の人から見たら、また違う目線が見つかると思います。それぞれの国の文化や背景を知りながらたくさんの外国人の目線を知りたいですね。

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